ノンバンクに手を焼いた
7月.23,2010Hさんが自宅マンションの任意売却を決意したのはもう2ヶ月以上も前のことです。Hさんは下町の小さな工場を経営していましたが、とある新しい素材の発表が大手企業から行われるや、Hさんのお得意であった顧客からは潮が引くように取引を停止されてしまいました。Hさんは奥さんとの二人暮らしで子供はいません。これまでも特に儲かった時期があるわけでもないのでほとんど自転車操業のような暮らしぶりでした。「住宅ローンが払えなくなる!」Hさんの頭に最初に浮かんだことです。
Hさんは3階建ての工場の最上階を自宅として使用してきました。1階が作業場で、2階が倉庫です。住宅ローンが払えなくなると仕事場も住宅も同時に失うことになります。Hさんは以前知り合いから紹介された任意売却の専門業者に相談しました。業者はHさんの話を一通り聞くと「債権者が多いですね、銀行は何とかなっても、ノンバンクは噛み付いてきますよ」と言いました。それでも競売で買い叩かれるよりは任意売却を行ってみた方が良いと言う考えはHさんも業者も同じで、早速契約を取り交わして任意売却を進めてもらうことにしました。
Hさんの任意売却は当初業者の人が言っていたことがピタリと的中しました。2つあった銀行は何とかクリアできたものの、ノンバンクだけがこちらの提示額とはけたが違うほどの満額を主張し一歩も譲ろうとしません。Hさんが依頼した業者も度々交渉をくり返しましたが、「満額、満額」と同じ言葉の繰り返しで話はいっこうに進みませんでした。そうこうするうちに業者の人が「しばらくほっときましょう」と言いました。こちらから交渉することをピタリと止めて相手の出方を伺うと言うのです。1ヶ月が経ち、2ヶ月目も終わる頃やっとノンバンクから連絡がありました。「しようがないから半額と言うことにしましょう」しかし逆に任意売却業者はそれではOKせず、さらに半額となる金額を提示しました。ハラハラしながらやり取りを見ていたHさんの目の前でやっとノンバンクが、渋々こちらの提示額プラス20万円で承諾しました。任意売却はこうした交渉がすべてを決めます。住宅の返済が行き詰まりそうであれば早めに任意売却の専門業者に相談しましょう。
