任意売却物語

さまざまな任売の体験談を集めました。

Mさんの働いていた自動車会社で大規模なリコール隠し騒動が発生しました。連日報道陣からの取材を受け、心身ともに社員が疲弊していくなか、みるみるうちに肝心の自動車の販売数が激減し、大企業であったにもかかわらず倒産の危機が噂されるほどの状況に追いつめられてしまいました。Mさんはリコール隠しを行ったセクションと直接のつながりは無かったものの、その年の賞与は支給されず、それどころか年収も大幅にカットされてしまいました。

その後も自動車の販売は回復せず、会社は早期退職者を募ることで経営の危機を乗り越えようとしましたが、それも結局は焼け石に水、たいして大きな効果は得られませんでした。そうこうするうちにMさんが住宅ローンを支払っている銀行から連絡が入りました。聞けば今月分の返済が滞納となっていると言うのです。これまで1度たりともローンの滞納などをしたことがなかったMさんにとってこれは大きなショックでした。「マンションは人手に渡るのか」、「自分は自己破産者となってしまうのか」と夜も眠られない日々が幾日も続きました。

任意売却の専業者のことを知ったのは友人のすすめからです。最初は大きなためらいを感じましたが他にとる方策も無く、任意売却の業者の扉をくぐりました。Mさんはこれまでのいきさつと生計の現状などを説明しました。「競売になるでしょうか」とMさんが思わず聞くと、業者の人が2~3秒ほど間をおいてから答えました、「いいえMさんの場合は任意売却の申出が通る可能性が充分にあります。残債は残りますが」それは自信に満ちたはっきりとした口調で、その言葉を聞いただけでMさんはこの任意売却の業者の事務所に来て良かったと感じました。

結果的にMさんのマンションは3800万円での任意売却となりました。今は毎月1万円ずつ残債を支払っています。