任意売却物語

さまざまな任売の体験談を集めました。

東京都内の中堅の証券会社に勤務していたAさん(45歳)は、数年来の不景気による業績の悪化と仕事上のミスが2度ほど続いたことを理由に、20年間にも渡って勤めていた会社から突然の解雇を言い渡されました。退職に関しては会社都合と言うことで、離職後すぐに失業保険の支給を受けることができましたが、おりからの不況の上、45歳という年齢も災いして、退職から1年以上経っても再就職を決めることができないでいました。

Aさんは奥さんの他に大学進学を控えた長男と私立の高校に通う娘さんがいる4人家族で、やがて失業保険の給付も打ち切られてからは、奥さんのスーパーマーケットでのアルバイト収入と800万円ほどあった貯蓄を切り崩しての生活となりました。しかし賢明に就職活動を続けたにもかかわらずAさん自身は未だ再就職先を見つけることができないでいたのです。

それから数ヶ月後、ふと気付くと住宅ローンを返済している銀行からの督促状が届いていました。何とまだ数百万円はあると思っていた銀行の預金残高がとっくに底をついていたのです。Aさんが焦れば焦るほど再就職への道は閉ざされて行くように感じられました。その後銀行からは催告書が届き、何度も電話で催促される日々が続きました。

任意売却のことを知ったのは、ハローワークでの相談の時です。とりあえずインターネットの情報を手がかりに任意売却を専門で扱っている業者に相談してみることにしました。任意売却が完了するまでにはそれから数ヶ月もの期間がかかりましたが、最終的に住んでいたマンションは2000万円で売却され、引越し費用と当座の生活費用として70万円を任意売却の専門業者から受け取りました。Aさんが念願の再就職を果たしたのは、それから2ヶ月後のことでした。